かんごし父ちゃんのナース駆け込み寺!

このブログは認定看護師として集中治療室で勤務するかんごし父ちゃんが、困ったナースや看護学生が気軽に学べる内容の情報や2児のパパとして育児に奮闘する日記をゆる〜く描いたブログです。

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まるっと解決!Aラインの巻! その2

続!Aラインの巻!

皆様こんにちこんばんは!

 

子供の影響で鬼滅の刃にハマってしまった看護師と〜ちゃんです、、汗

主人公のタンジロウが優しいんだこれが!

この話はどこかで、、w

 

 

 

 

さて、今日はというと前回に引き続きAラインのお話しです。

前回はAラインのメリットについて、看護ケアと一緒にお話をしました。

もしこの記事が初めての方は、前回の記事も見てくださいネ!

 

 

nurse-daddy.hatenablog.com

 

 

 

この記事を読むことで、、

・Aラインから多くの情報を得ることができます

・カンファレンスとか申し送りで褒められることがあります(笑)

 

 

では張り切っていきましょう!

 

■Aラインの波形はすごいんだぞ!

前回はAラインの波形を示して、ディクロティックノッチについて解説しました。

今回は波形の示す意味を深掘りしていきましょう⭐︎

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おなじみのAラインの波形でございます。

図の中に番号を振っているので、そうです。その数だけ意味がありますw

勿体ぶらずにお話ししましょう。フフ。(はよぉせい!!怒)

 

順番に①からいきましょう。

結論から言うと、①の波形の立ち上がりの角度は心臓の収縮力を示しています。

当然、収縮性が低下している状態だと立ち上がりの角度がなだらか(極端に言うと平坦に近づいていく)になります。また、この角度は心臓が収縮する際の抵抗にも影響を受けます。

つまり、心臓が上手に収縮できない状態の場合に角度がなだらかになるということです。

そしてその状態というのが、心収縮に対する抵抗が高まる状態、あるいは収縮性そのものが低下している状態ということなのです。

 

次に③です。

3はちょうど収縮期と拡張期を隔てるディクロティックノッチ(長いのでDNとします)から垂直に線を引いた時の面積を示しています。

これは1回拍出量(心臓が一回に拍出する血液の量:Storke Voleme;SV)を表します。

なので、この面積が広いほどSVが多く、面積が狭いほどSVが低下しているということになります。

 

そしてそして④は、、

体血管抵抗Systemic Vascular Resistance;SVR)を表します。体血管抵抗については、分かりづらいところもあるので後ほどお話しします。

 

 

■連続波形も要チェック!

次に波形を連続させると何が分かるでしょう、、

2つの連続波形を示します。

 

その1

 

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その2

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違いが分かりますか??

数が違、、いやいやある意味正解ですが、、^^;

 

正解は「血圧が変動している」でした!

 

正解者に拍手!

 

上がって下がって上がって下がって、、と連続しています。

 

なぜ血圧が変動しているのでしょう??

 

実はこの変動って呼吸に合わせて変動しているんです。

そして、通常の呼吸ではなく人工呼吸器で陽圧呼吸(人工呼吸器はまた今度⭐︎)をしている状態です。具体的には吸気時に低下しています。

 

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これは結構大事なキーワードで、呼吸性変動と言います。

人工呼吸器の陽圧換気では、吸気(人工呼吸器からガスを送る)時に胸腔内圧は上昇します。

そしてこの陽圧換気下で呼吸性変動が見られるときは、循環血液量の低下が示唆されるんです。

 

この理由は、、

胸腔内圧が上昇することで静脈還流量(心臓に戻る血液量)が減るからです。

静脈還流量が減少すれば、当然心臓から拍出される血液量が低下します。

そうすると、吸気時に血圧が低下し呼気時に血圧がベースラインに向けて上昇する=つまり呼吸に合わせて血圧が低下することが起きるのです。

この反応は循環血液量が適正であればさほど血圧の変動には影響せず、循環血液量が減少した状態であると、血圧の変動が顕著に現れます。

よって、呼吸性変動を認めた場合=循環血液量低下が示唆されるわけです。

 

ちなみに、、

この呼吸性変動の変動率を数値化したものがSVV(Stroke Volume Variation)と言います。

そして心房細動(Arterial Fibrilation;AF)などの不整脈や、自発呼吸下であると信頼性はありませんのでご注意を!!

 

 

それにしてもAラインって奥が深いですねぇ、、

 

 

さて、Aライン波形から

・心収縮性

・1回拍出量(SV)

・体血管抵抗(SVR

・呼吸性変動(循環血液量低下)

この4つが分かりましたね。

 

 

■臨床での使い方・考え方 

例えば、Aラインが留置され人工呼吸器を装着している患者さんの受け持ちだとします。

すると、、

ピコーンピコーンとアラームがなっています!(ICUに異動したては家でも聞こえるw)

モニタを見ると動脈圧が低下しているではないですか!

 

そこで、「アノ」知識を使うんです!

 

もう皆様はAラインの波形から、心収縮性・1回拍出量・体血管抵抗・呼吸性変動を評価できますね♪

 

そうです!血圧低下の原因がわかるではないですか!

そして、原因が分かれば対応も分っちゃうんです、、、フフ

 

ということで、次回はこの内容をもう少し深ーく一緒に学習しましょう!

 

<次回のサザ、嘘です(内容は)>

・循環の構成要素

・血圧低下時のアセスメントと対応

 

 

 

ではでは、歯磨いて寝ろよ!

by看護師と〜ちゃん