かんごし父ちゃんのナース駆け込み寺!

このブログは認定看護師として集中治療室で勤務するかんごし父ちゃんが、困ったナースや看護学生が気軽に学べる内容の情報や2児のパパとして育児に奮闘する日記をゆる〜く描いたブログです。

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まるっと解決!Aラインの巻!

皆様こんにちこんばんは!

インフルエンザワクチンの注射にヒィヒィ言っていると〜ちゃんです。

 

昨日の夜勤はひじょ〜に落ち着いていて、平和でした。

私、業界用語でいう「よく引く人」でございますw

 

一般の方は分からないと思いますが、よく引くとは、その人が勤務の時には急患がたくさんきたり、急変(患者さんの容態が急激に悪化!)に遭遇するという意味です。


去年の仕事はじめは1月2日だったんですが、心臓マッサージをしておりました、、w

 

職場のみんなからは一緒にと〜ちゃんと夜勤やりたくない!と言われてますw

 

 

さて、今日は集中治療室に配属になって高確率で出会う「Aライン」についてお話ししようと思います。

この記事を読むことで、Aラインの目的・看護への活かし方がわかります。

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■Aラインとは!?

Aラインの「A」とはArtery=動脈のAを意味します。

つまりA(動脈)に留置されているライン(管)のことです・

実際にはプラスチックの点滴の管(サーフロー針)が動脈に留置されている状態です。

 

■Aラインを留置することでのメリットは?

・血圧が常時リアルタイムで測定できる

・Aラインの波形(形)から循環動態を評価できる

 

・新たに針を刺さずに動脈血採血ができる

→血液ガスにより酸素化・換気の評価ができる

*血液ガス分析について今度また⭐︎

大きくはこの3つだと思います。

 

まずは循環動態の評価の視点から解説していきます。

 

■リアルタイムの血圧評価

通常、血圧と言えばマンシェットを巻いて上腕動脈の血圧を測定するのが一般的だと思います。言葉を言い換えると非侵襲的(観血)血圧(NIBP;Noninvasive Blood Pressure)と言います。一方で、Aラインを用いた血圧は動脈血(観血的)血圧(ABP;Arterial Blood Pressure)と言います。

前述したようにAラインは動脈にカテーテルを留置していますから、24時間リアルタイムで動脈血の血圧をモニタリングできます。

▷このメリットとしては

・循環動態の変動が著しい重症患者の循環評価ができる

・カテコラミン等の薬剤の反応を瞬時に評価できる

この2点です。まずはケア中の活かし方を解説します。

〜看護ケア中の血圧変動〜

・全身清拭(体位変換

全身清拭は毎日ルチンで実施している施設も多いのではないでしょうか。

全身清拭は酸素消費量の多い(酸素需給バランスへの影響!)ケアであると知られており、実は患者さんの負担も大きいケアの1つです。さらに、体位変換を繰り返すため体位による血圧変動も多いです。

体位による血圧変動の根拠としては諸説ありますが、、

右側臥位:右側臥位では下大静脈が圧迫されることで静脈還流量が低減する

     →特に肥満、循環血液量低下している患者で注意

左側臥位:左室が圧排されることにより心拍出量が低下する

ちょっと無理のあるような説明とも感じますが、この説明がされていることが多いです。

 

いずれにしても、臨床では実際に体位による血圧低下をしばしば経験します。

Aラインが留置されていることで、血圧が低下した際に早期に気付くことができます。

と〜ちゃんが現場で伝えていることは「清拭はルチンで実施しない」「ケア中にモニタをちらちら見ながら変化を観察する」です。

清拭を実施するだけは正直練習すれば誰でもできます。この人に清拭していいの?心電図変化は?血圧はどう?などと考えながら実施することが看護師という専門職=プロの仕事だと思います。

〜薬剤投与と血圧〜

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)は重症患者ではよく使用する薬剤です。

ちなみにノルアドレナリンは末梢血管をキュッと(後負荷を増大)させて昇圧効果を得ます。

ここで注意したいのが、シリンジポンプでノルアドレナリン(以下長いのでNAとします)を交換する時の血圧低下です!

NAの昇圧効果は1〜2分程度で消失するので、薬剤を交換したときに血圧が低下することがあります。Aラインが留置されていることで、血圧低下に早めに気付けますね⭐︎

今度お話ししますが、プロタミンをIVする時にも大事です!

NAの他にも、投与することで循環に影響を及ぼす薬剤はたくさんあるので、Aラインはとっても大事なのです。

 

■Aラインの波形、みんな見てる??

みなさん疲れてませんか?!汗

最後の内容になりますが、Aラインの波形に注目してみましょう。

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さてAラインの波形を示しました。

収縮期と拡張期は血圧の高さで分かると思います。当然、波形がの高さが高い(血圧が高い)のが収縮期に当たります。そして②を境に拡張期血圧に移行します。

さて、この②は何者でしょう??

正解は心臓の動きを考えれば分かります。

何かの参考書で、心臓の図(弁が分かるもの)を見てみてください。

心臓が血液を全身に送り出す時の通り道は、「左室」→「大動脈弁」→「(上行)大動脈」です。つまり左室から全身に血液を送り出すには大動脈弁が開くことが条件になります。

そうです。お気づきの方もいるかもしれませんが、拡張期に移行するには、大動脈弁を閉じる必要があるんですね。なので、②の部分は大動脈弁が閉じた瞬間の一時的な血圧上昇を見ていたのです。よって、大動脈弁が閉じれば拡張期と判断することができるのです。

ちなみに②はディクロティックノッチと呼びます。コレはIABPを学習する上でも重要なので、頭の片隅に入れておいてくださいネ^^

 

ちょっと頭から煙が出てきたところで、、、w この続きは次回にいたしまする。

<今回のポイント>

・Aラインはリアルタイムで血圧評価ができる

・看護ケアでも血圧が変動するので、細めにモニタをチェック!

・清拭って結構負担が大きいのねぇ

・波形も大事だよ!

 

以上でございます。

ではでは、また次回お会いしましょう!!

 

歯磨いて寝ろよ!

by看護師と〜ちゃん