意外と教えてくれない聴診器の基本!!
皆様こんにちこんばんは!
新型コロナウィルス感染の感染者数が増えるなか首都圏では緊急事態宣言の存在が色濃くなってきました。
医療従事者としては身が引き締まる思いですね。
今日のお話は聴診器についてです。
先日Twitterでこんな質問がありました。
”父ちゃんはなんの聴診器を使ってますか?オススメの聴診器はありますか?”
という内容です。
確かに聴診器って
看護学生や就職した時になんとなく買ったものが多いと思います。
実は父ちゃんも看護学生時代から姉のお古を使ってきて、認定になってから初めて自分で聴診器を買いました^ ^;
一体何を買えば良いの?!といった疑問があることの背景には
聴診器について"実は良く分からない"という方が多いのではないでしょうか。
学ぶことの機会が少ない聴診器
今日は一緒に学習していきましょう!!
では早速いきましょう♩
〈今日の内容〉
聴診器の歴史
聴診器の歴史は古く原型は1816年にフランスの医師が発明したそうです。
ちなみに1816年は日本ではちょんまげのお侍さんがいる江戸時代。
文明の差を感じてしまいます・・笑
初期の聴診器は木の筒だったそうです。
名前はギリシャ語の胸(ステソ)・検査(スコープ)になったそうです。
江戸時代から原型があったとは歴史を感じます。
ちなみにハーバード大学のドイツ出身の医師であるデイビッド・リットマン(USA)により1967年に小型化と軽量化を行い現在の聴診器として普及したそうです。
そうです。
この人が我らがよく知る”リットマン”ブランドの生みの親というわけです。
しつこいですが笑
1967年の日本は昭和42年。
高度経済成長によって活気付いている真っ只中。
当時のかけそばは60円、ラーメンは100円だったそうです笑
聴診器の構造と種類
皆様はどんなタイプの聴診器を使っていますか??
恐らくこのような聴診器を使っている方が多いのではないでしょうか?
通常はベル面と膜面の2つの面があるダブル型の聴診器を使っていると思います。
あまり各部位の名称を気にしたことはないと思いますが念のため。
基本的には
- 耳に当てる部分のイヤーピース
- 聴取する部位に密着させる部位をチェストピース
と呼びます。
ギリシャ語の胸:ステソもそうですが、チェストピースという名前を見ると
聴診のはじまりって胸部の聴診から生まれた概念だったんでしょうね。
一般的なダブル型の聴診器はチェストピースが2つに分かれています。
面積が広い方は膜が貼られています。
この膜はダイヤフラムといって皮膚に密着した時に
低音をカットすることで高音域がクリアに聞こえるようにできています。
高音域は呼吸音や心音・心雑音などが分類されます。
なので普段聴診する時はこのダイヤフラムの貼られた面を使用しているのです。
一方でその反対側です。
これを臨床で使っている人は結構マニアックです。笑
ダイヤフラムの反対側はベル面と呼びます。
高音域に適しているダイヤフラムと異なり
低音域が聴取しやすいと言われています。
臨床では膜面を使うことが大半だと思いますし、それで充分です。
父ちゃん自身もそうですがベル面がないシングルタイプの聴診器もあります。
先程ダイヤフラム(膜)のはなしをしましたが
ダイヤフラムの周りにはリング状のゴムがあります。
しっかりと皮膚に密着するとダイヤフラムがリングに接することで低音域がカットされます。
つまり軽くポンと当てると
低音域がクリアに聞こえるようになります。
シングルタイプですと
- 強く押し当てた時は高音域
- 軽く押し当てると低音域
となります。
よかったら今度臨床で試してみて下さい♩
何気なく使ってる聴診器ですが
小技がいっぱいあるんですね♩
聴診器の持ち方
先程の話からすると
呼吸音など高音域をクリアに聴診するには
ダイヤフラムをしっかりと皮膚に密着する必要があります。
目安としては
聴診器を皮膚に当てて離した時に跡が少し残るくらいです。
そのためにはチェストピースをしっかりと持たなければなりません。
私が研修等で推奨している持ち方は
指を2本指のピースにして
チェストピースを挟む方法です。
このような持ち方をすると皮膚にピタっと密着することができます。
COPDの患者さんなどのかなり痩せている患者さんの場合
浮き出た肋骨によってチェストピースが胸壁に密着しづらいことがあります。
その場合はチェストピース全体を手で覆う方法もあります。
要するにチェストピースをしっかりと密着させるのがポイントということです。
ちなみに腹部の聴診については以前記事にしているので良かったら見てください♩
おすすめの聴診器は?
特に推している聴診器があるわけではないんですが
値段は重要だと思います。
amazonで調べてみると1000円くらいの聴診器もあります。
個人的な意見ですが
性能は価格に比例すると思います。
認定になってはじめて聴診器を買ったんですが笑
リットマンのマスタークラシックⅡの真っ黒を使ってます。
これを初めて使った時
心音や呼吸音の聞こえ方が全然違いました。
エントリーとしてお勧めは5000円程度が良いと思います。
ちょっと頑張りたい!
あるいは
仕事のモチベーションを上げたい!
という方は1万円台のを使っても良いと思います。
参考書もそうですが
仕事への投資は絶対無駄にはなりません。
買い替えを検討している方やこれから買おうと思っている方がいたら是非参加にして下さい^ ^
まとめ
- 膜面(ダイヤフラム)は高音域がクリアに聴こえる
- ベル面は低音域に適している
- チェストピースは圧痕が残る程度に密着させる
- 持ち方はピースで挟む
- エントリーのお勧めは5000円程度の聴診器
以上参考になれば嬉しいです!
では歯磨いて寝ろよ!
by看護師父ちゃん